老舗映画館閉館から思う事(上土シネマ閉館)
2008年11月21日
ちゃる at 00:12 | Comments(2) | 松本歩き
ご存知の方も多いとは思いますが、松本市上土通りの老舗映画館「上土シネマ」が11月14日に90年の歴史の幕を閉じたとの事。閉館の事はネットで知った。
今年の初めは縄手入り口の鶴林堂書店(名前違っていたらスミマセン)が閉店、先月はテアトル銀映の閉館。昨年は縄手通りの三松屋(焼き芋)店や縄手通りにあった店などあの辺りはどんどん老舗が閉店の憂き目に遭っているように感じる。老朽化、経営難、後継ぎ問題等色々あるのだろう。ここ1,2年は松本駅から松本城辺りにかけて30代位のオーナーが経営するような店も増えてきたように思う。新旧店舗の入れ替わりがとにかく激しいと感じる。ジャンル問わず。新旧が入れ替わる事は街が人が良くも悪くも変わりつつあるという事なのだろう。
5年前に引っ越してきた時、一通り観光客気分で観光案内所にいって地図をもらい、街をよく歩いたりしていた。だが、それは最初の1年位で飽きてしまった。その後、余所でブログを始めたのをきっかけにデジカメを購入。購入理由は過去に街歩きをした際に記憶に残る光景のいくつかをブログに載せたかったから。そんな理由で再びデジカメ持参で街歩きをはじめた。デジカメ持ち始めの頃は以前の記憶を頼りに気に入った場所だけ撮影してブログに載せて勝手にこの街で見た観光客的な視点を共有したようなつもりになっていた部分はあった。だが、いつしか別の視点に切り替わりつつある事に気がついた。観光客でもなく、地元住民でもなく余所からやってきて住んでいるものとしての余裕が出たのだろうか、街を眺める視線や気持ちがなんとなく変わってきたように感じる。何がどうとは言えないが。
ピンボケ写真しか取れない私だが、自分の住んでる街だけの話を書くブログを持とうと思った矢先にナガブロに出会う。
上記で話がかなり逸れてしまったが、ブログで取り上げたい題材の一つに映画の「手書き看板」があった。「今の看板は写真が多い。ここの看板は手書きの絵を使った看板なんだ。レトロだな」と目にとまる。昔は当たり前だったのだろうが、逆に今の看板は「写真」が多い。特に人の顔なんかは圧倒的に写真だと思う。そんな中、「手書きの絵の看板」というのが新鮮に映ったものだ。
映画館なのに映画を見ない人。これは客でもなんでもない。単なる野次馬な存在。でも、映画館の前の看板をひそかな楽しみに・・・そんな人間もいたわけである。(2008/11/20撮影)
引っ越してきて5年ほど経つが、近年映画もまったく見なくなった。こんな話を書いているが、実は上土シネマ前を何度も通るも一度も入った事ない。
この映画館自体の歴史は松本経済新聞の情報によると歴史あることを知った。流れとしては1917年(大正6年)頃「松本電気館」として開館→「オリオン座」→「松本東映」→1967年(昭和42年)ごろに建物を改築(現在の建物)→2002年に通りの名前をとって「上土シネマ」と改名し現在に至るとのこと。
なんだか、そんな話を読むと「時代の流れ」で片付けてしまうのは惜しい気がします。月並みな表現ですが多くの人が泣き笑いをした娯楽であり、街や人の活気の源でもあったのではないかと思うからだ。
過去にも何度か明言してるが、別にこの街が特段隙でもないし、この街の人も特別好きだということはない。ただ、自分が今この街に住んでいること。何度も通った道の光景が一つ変わる事。少々残念でもある。
TVやビデオは当たり前。地デジ、スカパーやネット配信等の商品が次々に出てくる。
映画館で映画を見るという価値。
かつては多くの人たちが共感していた空間が個々の家庭に移り変わり家族という数名単位での共有。そしてその選択肢は更に広がり「一人」という単位に広がっていったのではないだろうか。
一つの建物が消える。
ただそれだけの事。
だが、その事実は一つの歴史が姿を消したとも言えるのではないだろうか。
・松本経済新聞・・・上土シネマ閉館の記事。尚、11月22日~24日の3日間は「閉館記念特別上映」で新旧織り交ぜて上映するそうです。
・エンギザブログ・・・「上土シネマ(旧松本電気館/旧松本東映)閉館記念特別上映」のお知らせあり。上映日程はこちらで確認可能。
今年の初めは縄手入り口の鶴林堂書店(名前違っていたらスミマセン)が閉店、先月はテアトル銀映の閉館。昨年は縄手通りの三松屋(焼き芋)店や縄手通りにあった店などあの辺りはどんどん老舗が閉店の憂き目に遭っているように感じる。老朽化、経営難、後継ぎ問題等色々あるのだろう。ここ1,2年は松本駅から松本城辺りにかけて30代位のオーナーが経営するような店も増えてきたように思う。新旧店舗の入れ替わりがとにかく激しいと感じる。ジャンル問わず。新旧が入れ替わる事は街が人が良くも悪くも変わりつつあるという事なのだろう。
5年前に引っ越してきた時、一通り観光客気分で観光案内所にいって地図をもらい、街をよく歩いたりしていた。だが、それは最初の1年位で飽きてしまった。その後、余所でブログを始めたのをきっかけにデジカメを購入。購入理由は過去に街歩きをした際に記憶に残る光景のいくつかをブログに載せたかったから。そんな理由で再びデジカメ持参で街歩きをはじめた。デジカメ持ち始めの頃は以前の記憶を頼りに気に入った場所だけ撮影してブログに載せて勝手にこの街で見た観光客的な視点を共有したようなつもりになっていた部分はあった。だが、いつしか別の視点に切り替わりつつある事に気がついた。観光客でもなく、地元住民でもなく余所からやってきて住んでいるものとしての余裕が出たのだろうか、街を眺める視線や気持ちがなんとなく変わってきたように感じる。何がどうとは言えないが。
ピンボケ写真しか取れない私だが、自分の住んでる街だけの話を書くブログを持とうと思った矢先にナガブロに出会う。
上記で話がかなり逸れてしまったが、ブログで取り上げたい題材の一つに映画の「手書き看板」があった。「今の看板は写真が多い。ここの看板は手書きの絵を使った看板なんだ。レトロだな」と目にとまる。昔は当たり前だったのだろうが、逆に今の看板は「写真」が多い。特に人の顔なんかは圧倒的に写真だと思う。そんな中、「手書きの絵の看板」というのが新鮮に映ったものだ。
映画館なのに映画を見ない人。これは客でもなんでもない。単なる野次馬な存在。でも、映画館の前の看板をひそかな楽しみに・・・そんな人間もいたわけである。(2008/11/20撮影)
引っ越してきて5年ほど経つが、近年映画もまったく見なくなった。こんな話を書いているが、実は上土シネマ前を何度も通るも一度も入った事ない。
この映画館自体の歴史は松本経済新聞の情報によると歴史あることを知った。流れとしては1917年(大正6年)頃「松本電気館」として開館→「オリオン座」→「松本東映」→1967年(昭和42年)ごろに建物を改築(現在の建物)→2002年に通りの名前をとって「上土シネマ」と改名し現在に至るとのこと。
なんだか、そんな話を読むと「時代の流れ」で片付けてしまうのは惜しい気がします。月並みな表現ですが多くの人が泣き笑いをした娯楽であり、街や人の活気の源でもあったのではないかと思うからだ。
過去にも何度か明言してるが、別にこの街が特段隙でもないし、この街の人も特別好きだということはない。ただ、自分が今この街に住んでいること。何度も通った道の光景が一つ変わる事。少々残念でもある。
TVやビデオは当たり前。地デジ、スカパーやネット配信等の商品が次々に出てくる。
映画館で映画を見るという価値。
かつては多くの人たちが共感していた空間が個々の家庭に移り変わり家族という数名単位での共有。そしてその選択肢は更に広がり「一人」という単位に広がっていったのではないだろうか。
一つの建物が消える。
ただそれだけの事。
だが、その事実は一つの歴史が姿を消したとも言えるのではないだろうか。
・松本経済新聞・・・上土シネマ閉館の記事。尚、11月22日~24日の3日間は「閉館記念特別上映」で新旧織り交ぜて上映するそうです。
・エンギザブログ・・・「上土シネマ(旧松本電気館/旧松本東映)閉館記念特別上映」のお知らせあり。上映日程はこちらで確認可能。
この記事へのコメント
緑町、上土界わい ・・
懐かしき昭和の街並みがホッとさせてくれる場所です。
縄手通りも変わってしまい
寂しい感じを受けます。
元気だった昭和が消えていきますね・・
懐かしき昭和の街並みがホッとさせてくれる場所です。
縄手通りも変わってしまい
寂しい感じを受けます。
元気だった昭和が消えていきますね・・
Posted by ロロノア at 2008年11月21日 18:11
>ロロノアさん
コメントありがとうございます。
私はこちらに引っ越して5年足らずですが、この5年で縄手通りや上土界隈に変化を感じます。本当、人に元気や活力を与えてくれたであろう場所もいまはあまり必要とされないのかと…
新しいのは大歓迎ですが、やはり懐かしいものが消えるのは寂しいものです。
コメントありがとうございます。
私はこちらに引っ越して5年足らずですが、この5年で縄手通りや上土界隈に変化を感じます。本当、人に元気や活力を与えてくれたであろう場所もいまはあまり必要とされないのかと…
新しいのは大歓迎ですが、やはり懐かしいものが消えるのは寂しいものです。
Posted by ちゃる at 2008年11月22日 10:29